国際ワークショップ:ジャン゠リュック・ナンシーと「ポスト宗教」の哲学
日時:2025年11月24日(月)15:00-18:30
場所:立教大学(池袋)5号館1階会議室
ジャン゠リュック・ナンシーの没後、その哲学的な遺産に改めて目を向ける試みが各地でなされている。そのなかで、ベルギーに拠点を置く気鋭の若手研究者ニコラース・カシディ゠デケテラーレ(Nikolaas Cassidy-Deketelaere)は、ナンシーの思想の宗教的・神学的な含意に焦点を当てた精力的な研究を進めており、単著『神学的転回以降のジャン゠リュック・ナンシー』(Bloomsbury)の公刊が2025年11月に予定されている。
カシディ゠デケテラーレの関心の一つは「ケノーシス」概念にあるが、彼は、『シェリング政治哲学研究序説』(人文書院、2025年)を上梓したこちらも気鋭のドイツ哲学研究者である中村徳仁の編による論集『ケノーシスとその力―京都学派、現代哲学、政治神学』(Wipfand Stock、近刊)にも寄稿している。「ケノーシス」をはじめ、「神的なもの」が退隠のそぶりをみせつつも、それでもなお「宗教的なもの」が力を取り戻しているように見える「ポスト世俗化」ないし「ポスト宗教」と呼びうる時代のなかで、ナンシーをはじめとする現代の思想はどのように捉えうるのだろうか。本ワークショップはこの点を現代哲学の観点から検討する機会となるだろう。
登壇者:
中村徳仁(三重大学)(30分):「ケノーシスとその現代的「翻訳」―神学的、哲学的、間 文化的」
髙山花子(明治大学)(30分):「今日の神話と断章化」
小田麟太郎(立命館大学)(30分):「イエスの受難についてのカントとナンシー」
ニコラース・カシディ゠デケテラーレ(50分):「神学的転回以降のジャン゠リュック・ナンシー―ケノーシスの現象学」
コメント:山根佑斗(10分)
司会:柿並良佑・渡名喜庸哲
使用言語・英語(通訳無し・可能な範囲で原稿配布)
主催:特別研究員奨励費24KJ0115(代表:中村徳仁)、科研費基盤C 24K03345(代表:渡名喜庸哲)、科研費基盤B 24K00016(代表:西山雄二)
後援:脱構築研究会、日仏哲学会